2021年11月13日にcocobunjiプラザリオンホールにて行われた空き家セミナーについてご報告したいと思います。
このセミナーは国分寺市さんと多摩信用金庫さんの共催で「あなたの空き家問題解決しませんか?片付け・解体・売却・利活用」と題して行われました。
空き家に関するお悩みは多岐にわたり、「どこから手を付ければよいか」ということ自体が「お悩み」の方も多いと思います。その「お悩み」の具体的な解決方法をお伝えするという内容で、弊社の松田と髙木、引越し・家財整理事業で連携している一般社団法人共働事業所よって屋代表理事である重田益美氏が登壇しました。
◆居住支援法人の役割と地域包括ケア
居住支援法人は、高齢者や貧困世帯、外国籍の方、育児世帯等、自分で住まいを探すことが難しい方々のサポートを行っています。
弊社は、高齢者を中心に病気や介護で在宅生活が困難な方、家族との離別、死別などにより独居生活を送られている方、自身での住み替えが困難な方など様々なご事情を抱えている方々に対して地域包括ケアによる連携体制を構築して、その中の住まいに関する問題の解消に取り組んでいます。
◆空き家の問題
空き家になると倒壊や不審者の侵入、放火、害虫や害獣被害など周辺環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのような空き家とならないように、空き家への対処というものが重要となってきます。
空き家を放置したことによって周辺環境へ悪影響が及ぶことがないように、空き家となる前に室内の片付けをした上で、解体、売却、賃貸、活用といった選択肢の中からその人に合った対処方法で取り組みを進めていく必要があります。
◆片付け
片付け作業は、お客様からの問い合わせを受け、見積もりに伺うことから始まります。見積もりの時には、荷物の量や希望を伺います。それを受け見積額を提示して、了解が得られれば作業日程の調整を行います。
作業期間は、規模によって異なりますが、1日から3日程度のものが多いです。
作業終了後、お客様の確認を行い、全工程を終了します。ご依頼は、高齢者の方の住み替えや遺族からの依頼が多く、物を捨てられない高齢者の方が多くいらっしゃいます。
高齢者の片付けをおこなっていると、ものに埋まって暮らしている方や同じものを沢山ストックしている方、通販の箱や使いこなせていない電化製品を多く所有している方、請求書や納付書など行政機関等からの連絡書類を開封せずため込んでいる方、冷蔵庫の古い食品がそのままになっている方など、生活面や健康面での不安、認知機能の低下をうかがわせる場面に遭遇します。
そういった依頼者の方々の気持ちに寄り添い、敬意をもって片付けをしています。
◆解体
多摩地域へも対応している横浜総合建設株式会社の取り組みを例にご説明します。
解体は、見積もりから発注、届け出、書類の作成と提出、解体業者との契約、片付け、電気・ガス・水道の解約、施工、支払いといった流れで行われます。
費用の目安としては、木造2階建て(30坪ほど)で150万円から250万円程度を想定しておくとよいかと思います。ただし、地下倉庫や地下室、植木の量が多い、周辺環境要因により重機が入れないなど、作業効率が悪い場合は、追加料金が発生することも考えられます。
国分寺市のように建物解体やブロック塀等の撤去工事などに対して補助金制度を設けている自治体もあるので、費用面を考える際に相談するとよいと思います。
◆売却
不動産を売却する際には、売却目的、所有者及び関係者の同意、売却窓口の一本化、売却時期の設定、債務の有無、在宅か空き家かといった部分を明確にしておくことが大切です。
不動産を売却するにあたっては、登記済権利証、土地実測図、建物の図面、建築確認済証、検査済証、固定資産納税通知書を準備しておくと売却手続きを円滑に進めることができます。
それらの必要書類を揃えた上で、売却地域の不動産相場を知っておくことが重要です。相場観を知っておくとその後の価格査定時の目安とすることができます。
価格査定結果から不動産業者を選定して媒介契約を結び、販売を開始します。購入申し込みがあった時点で売買契約を締結し、物件の立ち合い、残金決済、所有権移転登記、物件引き渡しといった流れで売却を進めていきます。
◆活用
空き家をどうするかという問題を考えたときに活用という解決策もあります。物件活用の形の一つとして、セーフティネット住宅に登録して賃貸物件にするということが考えられます。
セーフティネット住宅は、高齢者や子育て世帯など自分で住まいを探すことが難しい方々が優先的に入居できる住宅です。
セーフティネット住宅には、報奨金制度や改修費補助があり、登録するとセーフティネット住宅情報提供システムから住宅を検索できるようになります。
このシステムにより住まいを探しにくい方々への住宅の情報提供および入居を容易にすることができます。
また、セーフティネット住宅は、居住支援協議会や公共団体、居住支援法人などが入居の支援を行う際に条件に応じて優先的に紹介する物件になります。
居住支援法人である弊社では、入居後も見守りや地域包括ケアの連携のもと入居者の状況把握に努めるため、セーフティネット住宅の物件オーナーへの安心を高めるというメリットがあります。
物件活用としては、その他に地域コミュニティ助産院こもれび家、仕事付きシェアハウス、パン教室や私設図書館、児童支援施設など、物件を使いたいと考えている創業希望者が多くいます。弊社はそういった創業希望者とのコネクションがあり、賃貸という形以外の活用につなげることができます。
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