府中市空き家セミナー

2022年3月12日の土曜日、14時よりオンラインで開催された株式会社ジェクトワンさん主催で府中市が共催した空き家セミナーに弊社の髙木が登壇しました。


セミナーは二部構成で、開会の挨拶の後、第一部では弊社髙木とジェクトワン印南様の講演、第二部では、トークセッションと個別相談が行われました。


このブログでは、そのセミナーの概要をお伝えします。


まずはじめに、府中市都市整備部住宅課の三浦様よりご挨拶がありました。





府中市では、市民の生活環境の保全や空き家問題について考え方を明確にし、空き家対策を総合的かつ計画的に推進していくため、平成30年度に「府中市空家等対策計画」を策定しました。その中では、空き家の利活用の促進について方針が示され、取り組みが進められています。

その取り組みの中で「府中市空き家利活用等相談事業」として2021年にジェクトワンさんと連携・協力に関する協定を締結しているということでした。



続いて、弊社の髙木より「空き家を活用した地域コミュニティづくり」、ジェクトワン印南様より「地域に溶け込む空き家活用術」と題し講演が行われました。


◆第一部

「空き家を活用した地域コミュニティづくり」 株式会社こたつ生活介護 髙木



空き家を活用して助産院を創りたいという想いから「どこかよい空き家ありませんか?」と地域を回っていきました。


地域を回っていくと、地域とつながり、様々な地域の人との交流が生まれていきます。


一方で、こたつ生活介護は、新しいデイサービスの拠点としての物件を探していました。


そのこたつ生活介護のもとに地域で助産院を創りたいという人がいるという情報が入ってきます。


検討していた物件でデイサービスには向かないけれども「助産院を創りたいという人にだったらどうだろうか」ということでその物件を紹介してもらった経緯があります。


そして、その物件が現在の助産院こもれび家になります。


助産院こもれび家は、ランチやイベントなどを行い地域に開放するコミュニティの場でもあります。


ここでは、乳児から高齢者まで多世代の交流が自然と生まれ、地域の人がつながる拠点となっています。


このようなこたつ生活介護との出会いから、空き家活用の当事者としてこたつ生活介護で「活き家プロジェクト」の活動も行っています。


「活き家プロジェクト」は空き家を「空いたまま」にすることなく「活きたもの」に変えていく空き家の抑制事業であります。


こたつ生活介護は、居住支援法人として日々、高齢者の住まい相談を受けています。


病気や介護で自宅での生活が難しくなってきた方、家族との離別や死別により独居生活となってしまった方、高齢で自身での住み替えが難しい方など様々な住まいに関する相談が入ってきます。


そのような中で、これから空いてしまう家、空いてしまった家をどうすればよいかという相談が入るようになりました。


これに対して、「この家をどうするか」という悩みを相談者から聞き出して、その解決策を一緒に考えていきます。


売却してその資金を転居先や生活資金に充てる、賃貸物件として貸し出し賃貸収入を得るという解決策に加えて、空き家を使って何か事業を始めたい人に使ってもらう「活用」という選択肢があることを伝えます。


空き家や空き室の活用のひとつとして、空き家をセーフティネット住宅として活用する方法もあります。


セーフティネット住宅に登録された物件があると高齢者を含む自身で住まいを探すのが難しい方々、住宅確保要配慮者に対して円滑な住まい探しが可能になります。


こたつ生活介護では、地域包括ケアの体制のもとで住宅確保要配慮者に生活支援のサポートを構築した上でセーフティネット登録住宅を優先的に紹介しています。


空き家、空き室となる住宅をセーフティネット住宅として活用し、居住支援法人と連携することで、入居率を上げることが期待できます。


私どもは、このようなセーフティネット住宅への活用をお勧めしています。


また、その他の物件活用として、創業支援機関であるTokyo創業ステーションTAMAさんと連携し、活用を進めています。


Tokyo創業ステーションTAMAさんとは、定期的に空き家活用のイベントを開催し、空き家活用希望者と空き家所有者とのマッチングを図っています。






「地域に溶け込む空き家活用術」 株式会社ジェクトワン 印南 様


ジェクトワン印南様からは、社会問題化している空き家の実態がデータから示されました。


それによると、現在、国内6,242万戸の内、846万戸(13.6%)が空き家となっていて、このまま進むと2033年には空き家2000万戸時代に突入する見通しであるという予測もあるそうです。


空き家は、高齢者が自宅から施設に入所することになり、自宅が空いてしまうケースなどがあります。空き家の中でも放置期間が10年以上というものは、どう手を付けてよいかわからないという状態にある一方で、空き家に対して対応を検討したことがないという所有者が半数以上いるというアンケート結果も示されました。



このような社会問題化している空き家に対して、ジェクトワンさんでは、「アキサポ」というサービスを行っています。


アキサポは、物件の改修費用をアキサポで負担し、リノベーションした上で活用者に賃貸するという形をとります。そして契約期間中においては物件オーナーに賃料の一部を還元するという仕組みになっています。


アキサポでの物件活用によって、その物件の価値向上が見込まれ、活用前の状態より高い収益が期待できるというメリットがあります。


アキサポの活用事例として、築46年の空き家を活用したナワシロスタンド築60年で20年間空き家となっていた物件を飲食店連動型のコンセプトシェアハウスとした例など、とても興味深い事例が紹介されました。


講演の最後には、ご自宅をお持ちの方に向けて、将来のために今できることとして、実家が空き家になったときのことを考えておくこと、空き家を自分事としてとらえること、住宅は大事な資産であるという認識を持つこと、家族間でコミュニケーションをとること、というようなことが大切であるというお話しが展開されました。





◆第二部

トークセッション


第二部では、弊社髙木とジェクトワン印南様によるトークセッションが行われました。

これまでにあった空き家相談の事例から難しかったことや有難かったこと、空き家活用によって起こった変化などQ&A形式でトークが繰り広げられました。


その中で活用者、物件オーナーが空き家活用に対して抱いているイメージと現実とのギャップについての話しが印象的でした。


テレビ等で「0円物件」のような見出しで特集が組まれる情報番組や特集報道があります。

その影響もあり、活用者の中には「空き家=安い」というイメージを持たれています。


一方で物件オーナーは、かなり老朽化した物件でも活用によって自身の負担なく物件の価値を向上してもらえると考えておられる方がいます。


都内の空き家に関しては、福祉的用途で使ってもらいたいという強いご希望がある物件オーナーを除いては、相場相当の賃料で空き家を活用してほしいとお考えの物件オーナーが多いのが現状です。


また、老朽化の激しい物件など物件の状態によっては、物件オーナーも修繕費を負担するケースもあります。


この辺りのお話しについて確認をしておかないと「話が違う」という状態に陥ります。

コミュニケーションをしっかりと取ること、場合によっては文書化することによってイメージと現実のギャップを解消する必要があり、このギャップの解消がとても大切であると感じました。