居住支援セミナー~居住支援の重要性を知る~

2021年7月9日に東京都昭島市のアキシマエンシスで行われた居住支援セミナーは、オンライン9名、会場21名、計30名の皆さまに参加いただきました。ありがとうございました。


このブログでは、講演者の皆さまのお話しの概要をお伝えできればと思います。

講演者の方の所属等は、セミナー当時のものとさせて頂いております。



基調講演:「居住支援活動への期待 地域が安心して暮らし続けるために」

講師:千葉大学名誉教授 小林秀樹氏(動画配信)


居住支援活動とは、住宅に困っている人の民間賃貸住宅への円滑な入居を支援する活動であり、単に低所得者を対象としたものではなく、高齢者や子育て世帯など住宅確保要配慮者と呼ばれる方々を対象としている。


民間住宅への入居支援活動は、①公営住宅の拡充が難しい一方、空き家が増えている、②家賃を支払えても入居を断られる場合がある、③家賃の支払いに不安があると入居を断られる場合がある、という点から重要であると言える。そこで、このような不安を解消するため、居住支援サービスを整備し、入居を拒否しない賃貸住宅を登録して利用者に紹介する取り組みが必要となってくる。


居住支援活動は、家主側へのアプローチと入居希望者へのアプローチがある。家主側へのアプローチは、入居希望者の紹介や入居希望者の家賃債務保証、高齢者見守りサービス、死去に伴う退去支援といった安心サービスの紹介や提供、空き家活用や改修の相談対応などがあげられる。


一方、入居希望者へは、受け入れ可能なアパートの紹介、住まい相談への対応、福祉サービスの紹介や提供などがある。これからの住宅政策は、居住支援活動の充実が重要で特に空き家活用による住宅ストックの有効利用を推進し住宅セーフティネットの充実を図っていくことが求められる。


居住支援活動を推進していくにあたり、①居住支援サービスの整備、②地域における福祉の住まいの充実、③相談窓口と連携体制の整備、④居住支援における家賃低減の工夫が必要となってくる。


家賃低減の工夫として、家賃補助が得られない場合、空き家を活用した複数人の共同居住という方法が考えられる。例えば、共同居住型セーフティネット住宅や空き家を活用した高齢者の共同住宅、高齢者等のグループリビング、ホームシェアといった形をとることで、一人暮らしより集まって住むことのメリットを生かした住まい方が提案できる。


居住支援活動を広げるためには、まず、居住支援サービス提供事業者が家主と居住者の双方の不安を軽減するサービスを提供できるかが鍵となってくる。


次に、家主と不動産店の協力を広げ、セーフティネット住宅の登録検討やそのための広報活動が重要となってくる。


さらに、居住支援活動実施の中心となる組織や窓口、例えば、居住支援協議会などを発足させ、連携体制を整えることで、活動推進を図っていく。





講演:「セーフティネット住宅 シェアハウス ~エルシェアート羽村~

講師:株式会社ヒューライフコーポレーション 代表取締役 内川昭彦氏


株式会社ヒューライフコーポレーションは、東京都の認可を得て、東京都文京区において、障害者の就労移行支援を平成28年4月に開所、スタートした企業体である。


東京都羽村市にある日野自動車の寮をリノベーションして、セーフティネット住宅として、生活困窮者や障害者、高齢者をサポートするシェアハウスを運営している。


現在は、羽村市役所の生活福祉課、障害福祉課と連携や社会福祉協議会、西多摩保健所、地域包括、地域の大手病院や訪問看護、訪問介護と連携してその方が生活する上でのサポートをカスタマイズして提供している。


エルシェアート事業の目的は、無料低額宿泊所やグループホームでは対応できない生活困窮者、障害者、高齢者や児童養護施設を卒業された方、難病のALSの方が「自分らしく生活できるまでしたい」、若年性認知症の方が施設に入るまで「自分らしく生活したい」を、応援・協力していくことであり、弊社は肉体的にも精神的にも、そして社会的にもすべてが満たされた状態のウェルビーイングを、障害者・生活困窮者総合支援を通じて目指していく。

事例として、73歳高齢者(女性)、45歳軽度知的障害者(女性)、29歳発達障碍者(男性)、43歳若年性認知症(男性)、63歳ALS(女性)の入居前、入居後の状況について説明があった。





講演:「居住支援法人の取り組み」

講師:株式会社こたつ生活介護 高齢者住まい相談室こたつ 室長 松田朗


私たちは、『地域包括ケアシステム』の中で高齢者の『住まい』の困りごとに対して伴走支援を行っている。


入居前の居住支援として、住まいの相談窓口を設け、住まいに関する困りごとを受け付けている。また、見守りや配食、掃除などの家事補助、介護など必要な生活支援をコーディネートしている。


その他、住まいの情報提供、見学同行、緊急連絡先の確保、入居契約に関する支援や引越しに関する支援、入居中の支援として転居支援や入居中の見守り、地域サロンやコミュニティの紹介、入居者の権利擁護などのサービスのコーディネートを行っている。





講演:「活き家プロジェクト」

講師:株式会社こたつ生活介護 高齢者住まい相談室こたつ 活き家プロジェクトチーフ 髙木駿


 高齢者の住まいの相談を受ける中で、持家に住まわれていて様々な理由により、その家を出なければならなくなるケースが多くある。


その場合、空いてしまった持家をそのままにしておくと空き家として社会問題化してしまう。これまでは、空き家をどうするかという問題に対して、家主は、「売却」か「賃貸」といった2つの選択肢しかイメージを持っていなかった。


弊社は、そこに「活用」という新たな選択肢を提案し、物件活用希望者とのマッチングやセーフティネット住宅への登録の推進を行っている。


今後も地域包括ケアシステムの一員として地域の関係機関と連携し住まいに関する困りごとの解決を進めていく。