居住支援セミナー~居住支援の重要性を知る~

2021年12月17日(金)10:00より立川市役所1階101会議室で居住支援セミナーが立川市居住支援協議会主催で開催されました。


第一部では、居住支援法人株式会社あんどの共同代表である西澤希和子様の基調講演、第二部では、地域の居住支援法人として有限会社アシストの仲沢伸一様、一般社団法人介護グループふれあいの三島佳子様、弊社高齢者住まい相談室こたつ室長の松田朗が登壇し講演を行いました。


セミナーを通じて居住支援活動についての理解が深まり、具体的な支援活動の内容を知り、その重要性を確認できたのではないかと思います。


このブログでは、講演者の方々のお話しをまとめていこうと思います。




◆第一部 基調講演

「居住支援法人における不動産的支援の方法」

居住支援法人株式会社あんど共同代表 西澤 希和子様


居住支援とは、借りられる住宅を確保するといった不動産的支援から家賃債務保証、入居中の支援、亡くなられた後の支援を行うものである。


平成29年10月25日に住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給促進に関する法律(住宅セーフティネット法)の一部を改正する法律が施行されたことにより、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度、専用住宅の改修、・入居への経済的支援、住宅確保要配慮者のマッチング・入居支援といった新たな住宅セーフティネット制度の枠組みができた。


住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅には、専用住宅と登録住宅がある。


専用住宅は、住宅確保要配慮者専用住宅として登録した住宅で、複数の属性の住宅確保要配慮者を入居対象者として設定することができる。


登録住宅は、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅として登録した住宅で、住宅確保要配慮者以外の入居も可能な住宅である。


登録住宅と専用住宅に関する支援措置としては改修費への補助や融資、家賃・家賃債務保証料低廉化への補助、代理納付に関する手続きの利用、家賃債務保証保険の利用、居住支援の実施がある。


株式会社あんどは、保証が通らない方に特化した賃貸保証会社を独自に立ち上げようということで平成29年3月に設立した。


不動産、建設業を経営してきた西澤氏と障害福祉サービス業を経営してきた友野氏が共同代表として千葉県指定の居住支援法人として運営している。


入居時、入居後の支援として入居者と物件オーナー双方の安心を得られるようなサービスを提供している。


そのようなサービスの一つとして、あんどでは住宅確保要配慮者に対して居住支援付き住宅を提供している。


居住支援付き住宅は、債務保証会社や保険会社、警備会社と業務提携し、また、居住支援法人等と業務委託をすることによって物件オーナーに家賃債務保証や各種損害保険を提供し、住宅確保要配慮者に見守りサービスを提供するものである。


東京海上日動火災保険株式会社、東京大学大学院教育学研究科との協業により住宅確保要配慮者の居住支援を踏まえた保険商品として孤独死が発生した場合の各種費用の補償を含んだ保険の開発を行っている。


その他に、J:COMとの連携による携帯電話のレンタルやWHILL株式会社との連携による近距離モビリティ次世代型電動椅子などがある。


居住支援事業の今後の展開として、地域の居住支援法人協議会の設立支援や地方協議会と全国居住支援法人協議会のネットワーク強化、福祉系の居住支援法人との入居支援、見守り支援の提携、不動産系居住支援法人との物件提供や家賃保証の連携を進め、そのネットワークや連携を全国へと展開していく。






◆第二部 地域の居住支援法人の紹介

有限会社アシスト 仲沢 伸一様


アシストは、福生市で介護保険の事業所として平成12年に事業を開始し、平成15年には、居宅介護支援事業を始めている。


東京都の居住支援法人として1年半前から居住支援活動を始めている。居住支援法人となる前から福祉の部分では対応できない住まいのことの支援も行っており、自然と居住支援業務をやっていた。


その際は介護保険ではできないので、ボランティアのような形で行っていた。居住支援業務としては、福祉的な支援で対応していこうと現在活動を進めている。


居住支援としては、入居前支援、入居中支援、退去時支援がある。


入居前支援は、これまでに約10件の支援を行っており、高齢者や低所得者、精神障害者などを対象に支援をしてきた。


介護事業の利用者が大家さんである場合があり、そのようなつながりから物件紹介が円滑に進む事例がある。


そのようなケースを見ると物件紹介は信頼関係の上に成り立っていると感じる。

入居中支援では、30人ぐらいの人と関わっている。


サービスでは、鍵預かりサービスを月額1,000円から行っている。


鍵を預かれば対応できる事例が多くある。


例えば、室内で倒れている人で応答があっても鍵を開けられないというケースがある。


持家の場合は、鍵がないと警察や消防、地域包括など多くの人が対応をしなければならなくなる。鍵があれば大事にならず対応ができるため、居住支援サービスとして提供している。


その他の入居中支援として、安否確認の見守り、ゴミ出し支援、金銭管理などの生活支援がある。


退去時支援として、ゴミ収集事業所と連携し、残置物処理を行っている。


事前にどこまでのものを処分するか、リサイクルするかなど対応を決めている。


死後事務委任は提携先の司法書士が対応している。


また、退去時の清掃や孤独死に対応する特殊清掃などを行っている。


介護支援事業を主として、その中で居住支援事業を行っているが、その中で感じることは、不満、不信をどう取り除いてくかが重要であるということである。






一般社団法人介護グループふれあい 三島 佳子様


ふれあいは、18年前に重度障害者の介護事業から始まった。


そこから、重度訪問介護、生活介護、福祉作業所、グループホームなど開設し、今年5月から居住支援法人としての事業も開始した。


居住支援法人となる以前においても重度の障害者の住宅を探すのが難しいという問題に直面しており、その対応をしていた。


障害者が借りることができる物件は、古いものが多く、転居しても数年後には立ち退かなければならないケースがある。


障害者に理解のある不動産店でもあまり貸せる物件がないと言われたこともあり、居住支援の重要性から居住支援法人としての活動を始めた経緯がある。


居住支援としては、精神や重度の障害の方を対象としている。


これまでの活動で、入居後の支援が大切であると感じていて、居住支援法人の中間報告では、入居後支援の重要性を報告したが、居住支援法人事務局側との温度差を感じた。


居住支援としての入居後支援は、主に孤独死対策に関するものであるということがわかり、入居後支援を障害福祉の制度を利用して行っていくように活動の見直しを図っている。


これまでの活動では、医療刑務所の福祉の専門家経由で満期出所となり地域で自立したいという方からの相談があった。


その相談者は、お金がある方だったので、マンスリーマンション1カ月借りてアパート探しをした。その後、福祉の制度を利用して入居後支援につなげている。


これからも障害福祉の専門性が強みであるということを活かして、使える制度を使ってやっていきたい。





株式会社こたつ生活介護 高齢者住まい相談室こたつ室長 松田 朗


宅建業界から介護業界に入ったが、その中で感銘を受けたのが地域包括ケアシステムである。


必要な支援を組み合わせて生活していく仕組みがこのシステムにはある。


住まいについての支援が居住支援法人の役割と考えている。


介護、福祉では住まいのことについては、あまり注目されていなかったこともあり、もともと介護事業を行っていたこたつ生活介護で高齢者住まい相談室こたつを立ち上げた。


生活している中で困りごとが生じたらどこに相談するか。


相談する人がいなかったらどこに相談するか。


その答えとなる場所である市役所や社会福祉協議会、地域包括支援センター、居宅介護事業所、医療機関、民生委員、市議会議員、後見人、NPO法人など各種窓口となるところとの連携を進め、パンフレットの設置や居住支援セミナーやケアマネ部会の勉強会の開催、地域ケア会議への参加など地域でのつながりを大切にしている。


住まいに関する相談では、宅建業があるため、入居前支援が得意である。


物件を探すにあたり、以前は10件、20件の問い合わせに対して1件貸してもいいという物件が見つかるというような感じであったが、今では、多くの不動産管理会社の協力により入居を受け入れてもらえる物件も増えてきている。


見守りや生活支援における連携は、地域包括ケアシステムを基本として連携体制を構築している。不動産会社とも連携、建物や家賃、設備管理、家主様との調整に注力し、これまで4年間で事業ができるようになってきた。


居住支援協議会が立川市で立ち上がり、多摩地域の居住支援法人としてアシストさん、ふれあいさんができ、これからは居住支援法人同士の連携を図っていきたい。